2021.5.1-6.6ガチヲ・サンダース「with love」




       




2021 5.1(Sat)-6.6(Sun) (月曜、火曜、水曜定休 11:30-18:00)

 ガチヲ・サンダース個展 『with love』は
『人物を描く』という極めてシンプルな題材の絵画作品の展示となります。
紙に落ちた絵具のにじみが何故顔に見えるのか、なぜ怒って見えるのか笑って見えるのか
人間か否かを識別し感情を読み解く人の過剰な眼力を面白がりながら、絵具のにじみや引かれた線そのものの絵画としての魅力を併せて表現していきます。

霊長類のなかで最も人類に近いとされているチンパンジーに白目はない。
人類は現在に至るある過程のなかで白目を獲得した。
白目の存在により敵に向かう方向を悟られやすいというリスクと引き換えに表情を操ることに成功した。表情を駆使する事により、
人類は他者とのより複雑な関係性を生み出す事が可能になった。
複雑になった関係性はさらに厳密に感情や状況を共有することを求め、表情に強弱をつけたり併せて発声し抑揚をつけてみたりする。
環境や状況に応じてはジェスチャーやハンドサインなど体全体を感情化させて関係性を構築しようとする。
さらにより都合よく己に有利になるように感情とは裏腹な表情を捏造したり嘘という高等な技術を生み出したりする。
複雑すぎてその行為がどのような利点を持つのか分からないほどに微調整をしながら人類は複雑に何かを伝えようとする。

また、表情や仕草から相手の想いを読み解くために受け取り手は必死に相手を目視し耳を澄ませる。 この重労働に対価を得ているのか甚だ疑問ではあるが人類はそうせずにはいられない。 2021年 ガチヲ・サンダース









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