彫刻とことば




       




2021 12.2(Wed)-12.26(Sun) (月曜、火曜、水曜定休 11:30-18:00)

参加作家 
浅野井春菜 石川直也 岡野奏恵  村山まりあ 吉田結美
ことば 松下美沙


今展では作品一つ一つに言葉が添えられます。
その言葉は彫刻を説明するものでもなく、また正解を示すものでもなく、
ひとりの視点から綴られた「ことば」であり、
それは彫刻を見る?読むという行為を導くもうひとつの視点です。

    「彫刻家」

    独り 溢れる感情を隠し
    理想と憧れと
    儚さと虚しさと

    何度も何度も

    その手で
    時間を刻み
    方向を示し
    性を写す

    独り 溺れる感覚を抱き
    愛に祈りに
    命に希望に

    何度も何度も

    その指先は
    暗闇を救い
    軌跡を辿り
    生を綴る

    たとえば、
    あなたの記憶は真っ白な線
    無限の線の連なりが美しい螺旋を描く

    たとえば、
    あなたの姿は耀く点
    無数の点の集まりが果てしない星空を創る


    独り 生まれる感触を背負い

    何度でも

    その身を捧げる
    強かな笑み


         松下美沙










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