10th anniversary Exhibition
      「 静物彫刻 - わからないけれど、ささやかで、たいせつなもの- 」





       




2022 7.2(Sat)-7.31(Sun) (月曜、火曜、水曜定休 11:30-18:00)

参加作家: 笠原光咲子・山本恵海・渡辺里紗

私は約10年間、この場所で、今、なぜその作品を見せるのかを考えながら、
縛りを設けずに作家を選んできましたが、 自然と静物的モチーフの彫刻が多い事に気が付きました。
そこで10年目という節目に、もう一度"静物彫刻とは何か"を考える展示をしたいと思いました。

静物彫刻という言葉は辞書にはなく、まだ深く言及した本も無いでしょう。しかし、
作家達は敏感に世の中の流れを感じ取りながら、今作るべき彫刻に静物を選んでいます。
その理由が何かあるはずですし、近年実際に静物彫刻は増えていると感じます。
人体彫刻や生物の彫刻が当たり前だった彫刻という世界に、じわじわと静物彫刻は現れていたのです。
そして我々見る側も、静物というすでに形としてそこにあるものをまた彫刻し、静物彫刻となったものに
魅力を感じ始めています。静物とは何か、静物彫刻とは何かを考えることは、
「私たちが生きていくなかで大切なものは何か。」という問いに繋がっていくのではないでしょうか。


"わからないけれど、ささやかで、大切なもの"というタイトルは今回参加する三人の作家とのディスカッションから
出てきた言葉です。静物彫刻という言葉に敢えて線引きをしてみようとすると本当に難しいのですが、
この三つの言葉はとても良く分かるような気がします。
今展ではいくつかの疑問を三人の作家に投げかけました。三人は彫刻作品でそれに応えるだけでなく、各々の言葉も
展示会場で見ることができます。展示という期間のなかで、静物彫刻とは何か、鑑賞者とも考えていきたいと思います。











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